ヨーロッパの笠置シヅ子、もとい火薬庫

〜昨日のニュースですが〜
着うたなどの携帯電話向け違法音楽配信で初の逮捕者
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070514-00000009-imp-sci

 逮捕されたのが単にアプロダ系掲示板の運営者なのか職人も兼ねていたのかは知らないが、意外なことにこのテの逮捕は初めて。見出しだけ視た段階では反射的に「著作権侵害」と「公衆送信権侵害」と、あとは何だ? まぁ少なくともこの2つは犯してるんだろうなと思ったが、記事によれば「著作隣接権侵害」だそうで。ん?また知らない言葉が。しかも調べてる過程で「送信可能化権」という言葉まで引っ掛かってきやがった。

 ネット上の遣り取りについて言えば、“公衆送信権はデータを送信する権利”だから(著作権侵害をしている)不正なデータを送信した場合はここに抵触するということ?ただ、これを言葉通りの解釈だけで済ませてしまうと“結果的に送信しなかった (UP中にキャンセルした≒DL中にキャンセルされた ,アクセスする人がいなかったw)” 場合、そこに違法性はないことになる。

 以前ボクが(超適当に)調べた時は“公衆送信権は結果的に送信しなかったとしても、送信できる状態を作り出した時点で適用される”みたいな理解をしていたのだが・・・と思ったらこれこそが送信可能化権(著作権法23条1項。←公衆送信権も同じく著作権法23条1項)だったワケです。なるほど、実質的な理解としては間違いなかったんだけど細かい部分を知らなかったのか。まぁ、ボクは単なる洋服屋の店員だからベツにいいんだけどね。

 前置きが長くなってしまった。ここは法律ブログじゃねぇぞ。んで、この記事を誤読してる人がいるかも知れないので一応言っておくが、(記事を読む限り)捕まった人間はアプロダ系掲示板で不当な利益を得ていたワケではないっぽい。掲示板にアフィリエイトがあったとしても、それはそれで間接的な利益かも知れないが、少なくとも違法着うたファイルを売っていたのではないということ。

 逆にもし売っていた(対価を回収していた)場合、普通はDL前にカード番号認証なり電子マネーの送金なりなんなりの有料サーヴィス然としたプロセス(要は金を払ってない者には売らないシステムになっているというコト)を経ないといけないワケだから、そもそも(万人にバラ撒く者を取り締まるための)著作隣接権侵害は成立せず、著作権侵害になる(んだと思うのですが)。繰り返す、ここは法律ブログじゃねぇぞ。

 まぁ著作権法親告罪だから日本レコード協会も警察を動かす前に再三再四警告してたと思うので、それでもシカトしてたとはどういう神経してんだか、だがね。

 さてこっからは全く視点を変えた話。以前どっかのコラムで、違法着うたサイトがウケている理由についての分析を読んだ記憶がある。確か、ユーザは料金をケチる(今みたいな着うたフルじゃない時代は料金も高いとは思えないレヴェル)目的で違法着うたをDLしているのではない。有料の公式着うたサイトがその種類等でユーザのニーズに応えられていないのと、公式着うた自体のクオリティが無料の違法着うたファイルに負けているからだ。的な見解だったと思う。ボクも案外これは核心を突いてるなぁと思ったものだ。

 因みに着うたフルがメジャーになってからは料金の割高具合が顕著になって、しかもビットレートが低すぎる(音質がよくないという解釈でまぁよい)んだそうな。ウィキペの着うたフルのページに書いてあった。や〜こりゃヒドいわ、確かに(だからって違法で配っちゃダメだが)。つーコトで、やっぱ種類とクオリティの問題(+機種変した場合に新しい機種では引き続き使えないことが殆どであることも少なからずあるかも)で違法着うたサイトがウケてるんだろうなぁ。

 ボクも携帯使ってた頃は欲しいものがどこにも無かったから自分用を作ってたけど、自分用を作成・使用するのは違法じゃない(それを売ったり配ったりすると違法です)ワケだから、合法的に殿様商売の公式サイトを焦らせるには、皆が自分で自分用のみを作って使うしかないんです。そうなったら公式サイトは個人じゃ作れないようなものを提供 or 廃業しかなくなるのですよ。だってわざわざ金払って不出来なモノは買いたくないよね。あ、でもやっぱ作る手間(というか手間よりスキルの習得)が面倒なんだろうなぁ。。。

 種類とクオリティを求めて非公式着うたがもてはやされたってのは、着せ替え携帯などが流行った背景と同じなんじゃないかと思うのです。つまり、可能な限り皆と同じで安心していたい反面、同じく可能な限り他人とは違った部分を欲するのが現代の若者像ではなかろうかと。

 一応言っておくが、ボクとしてはこれを否定すべき状況とも思えない。だってもっと前は画一化された中に安息を求め、没個性に安心を得ていたような記憶があるから。そこからここまで意識が変わってきたと寧ろ喜ばしく思うぐらいで。

 そういうボクはというと今はW-ZERO3だからMP3とかWMAとかWAVEとか音楽ファイルを普通に再生できちゃうから更に関係なくなったけどね(それでもサビから鳴るようにファイル切り出したりとか簡単な波形編集はしてる)。でも滅多に電話自体がないけどね。そりゃ昔からか(泣)

 さて、送信可能“化権”とは全然関係ないが“かけん”繋がりで思い出したのが花架拳かかけん中国武術の1つであり、はてなのキーワードにもなってるから詳細は割礼、もとい割愛するとして正統な伝人(電人じゃないよ、ってそれはザボーガーw)による「日中崆峒こうどう派武術協会」のHP(http://wushunet.at.infoseek.co.jp/kakaken/kakaken_m.htm)が一寸面白かった。

『見掛けの優雅で美しい動きの裏には、力を使わず相手の攻撃を無力化し(化勁)、相手の重心を崩し、点穴 を利用して攻撃する(体内の経穴を突く攻撃、北斗の拳でいうところの「秘孔を突く」)という、武術としての激しさと実用性が隠されています。』

とのこと。化勁もそうだが、点穴を突くというのも中国武術ではどこでも普通にある(その種類とかは差異があるんだと思うが)もので決して荒唐無稽ではない。が、どうして自らそれを北斗で喩えちゃうかなぁと(笑)

 んで、ここの下の方にある画像の男性こそ、崆峒派第十代掌派者の燕飛霞老師であり、『ナイナイナ』ファンは嘗て番組で何度か観た記憶がおありかと思う、あの“花架拳のえん先生”その人である。因みに現在は、(燕先生はもう亡くなっておられるので)第十一代 掌派者の花舞影老師(燕先生の奥さん)が継いでおられるようです。


〜本日の鑑賞動画 於第六舞台(一寸プチバルカン特集)〜
Seka Aleksic- svi tvoji milioni
バルカン・ミュージック・チャンネルより。現地の歌番組らしいです。アントンmeets夏木マリ、みたいな人です。
Seka Aleksic- iskoristi moje mane
顔と衣装が乖離しすぎ。岩崎宏美さんにも視えてきた(かも)。
Indira Radic- April
所謂昨今のエロ歌謡ではなく昭和のお色気(死語)歌謡な雰囲気。でもリズムは4つ打ちなのな(笑)
Maja Marijana- napravicu lom
トルコ風テクノって言ったらいいんでしょうか、独特で音楽的には一寸面白いかも。
Jana- tuge mi dovoljno
う〜ん、やっぱ曲は面白い。
Dragana Mirkovic - Luce Moje
バルカンの辺見マリさんです(笑)
Dragana Mirkovic- Depresivan Dan
しかし、バルカンの女性歌手は皆ド迫力ボディに恐い顔なのか!?w
Viki kao Dara Bubamara
オナペッツのヅラがストパーになりました、みたいな(笑)


 そういや昔、細野さんがJICC出版時代の『宝島』のインタヴューで「不謹慎だけど紛争が起きてる地域の民族音楽というのは面白い」みたいなこと言ってたのを思い出した。