お年玉を戴いた、31歳(もうすぐ32歳)。

 年末のブログで、福井はM-1を放送してなかったことを書いたら読んで下さってたT師匠(リアル師匠)がお年玉代わりにビデオを送って下さいました。感謝を込めて観させて戴きました。んで、一応採点してみろということでしたので好き勝手な感想など。

PGB
 靴の話題で引っ張りすぎてしまい、受け手としてはやや集中力が途切れてしまった感あり。太った声の演出も、どうも彼ららしからぬ気がした。“チューブトップ”のところの掛け合いの小気味良さが本腰入れた笑いを誘うがもう終盤じゃん。遅過ぎたと言ってるんだ!(後藤隊長口調)って感じ。明確なボケとツッコミが存在しない(しかも面白い)コンビというのは非常に貴重だと思うので頑張って欲しい。トップバッターなので3点乗せて83点。

フット
 一度優勝してまた出ようという気構えが凄い。俺だったら勝ち逃げする。骨子となったネタはかなり使い古したものだが、アレンジが絶妙なので「またこのネタか」という印象にはならない。ツッコミを拒否する後藤となんとかしてツッコミをさせようとする岩尾。会場の雰囲気を汲みながらの遣り取り(だったと思うのだが)は彼らの技量が光った。個人的に面白かったのは「西日!」。「挙動不審!」は確かに解り易さを内包していた分、会場に面白さが瞬時に伝播したが、それは意外性ではなく岩尾キャラの強調であり、その前の「西日!」の地味な面白さが掻き消されてしまったような残念さが残った。93点。

プラ9
 これ迄にも何度かネタを観てるハズなんだが、名前のせいかボクはずっと9人組だと思ってた。ホントはコントが強いグループだが、通常より漫才化したスタイルでもかなりやれるのだな。コントの時のようにもっと5人でテンポよくできたら更に高得点が狙えたと思う。88点。

麒麟
 去年の野球ネタで、“キレイな落とし方”に目覚めたか。逆にソコが予想できてしまったのが残念といえば残念か。92点

トータル
 店長がラーメンを作る所作に、4回は引っ張りすぎたか。しかし1項目遅れで食材の拘りに食いつくレポーターというのは演者としては案外難しい技術だと思う。89点。

チュートリ
 これまでの漫才やコントでは“もしも○○みたいな××だったら〜”的な設定の摩り替え(ドリフなんかはまさにこの王道)をする場合、この○○と××を明確にすることで受け手に解り易さを提示して笑いに繋げるのが常であった。しかし、彼らは敢えて一方の設定を明示しないことで受け手の想像力を喚起させる。いわばネタ補完計画。このスタイルを発見したことが彼らの一番の功績だ。96点。

変ホ
 漫才界の大泉逸郎か!年齢的には中堅以上ベテラン未満な新人(アマチュアで決勝出るなんてことは20代前半ぐらいのコンビだと思っていたので驚いた)。予想と違ってアマチュア独特の寒さは無かった(衣装は仕方ない)。アマチュアの強みを活かしたネタとスタイルであるという仮定で、84点。


 中盤からの加速力は凄い。勢いの中に小ネタが光る。本人たちは優勝したいんだろうけど、無冠の帝王ってのも長い目で見たら意外とオイシイと思う。ってか、毎年ここに出てくるということが安定した実力者であることの証。でもやっぱ今回も前半が惜しい。91点。

ライセンス
 ネタとしては定石に近い。だが“こなし”がかなり巧かった。でもオチが弱かったかなぁ。思ったほど会場の点数が入らなかったのは、敗者復活組は勢い充分な前提で見られてしまっているからか?90点。

〜最終決戦〜
麒麟
 技が出た(iPodの音)。でもそれ以上に噛んじゃってたなぁ。二人とも。94点。

フット
 “取り皿”の捉え方が決め手か。96点。

チュートリ
 ただただ、99点を差し上げる。

〜おまけ〜
眞鍋かをり
 噛み方が絶妙でよかった。98点。

中田カウス師匠
 分析力と褒め方は今年も素晴らしい。100点。


 余談だが、審査員の中に落研出身者が2人(リーダーとナンチャン)。落語はホントは凄いんです。