無駄にスタイルが良い鷲尾さん(笑)

 今日も映画鑑賞。

ポリスアカデミー 3 全員再訓練 !』
 再訓練させられる話って知らないなぁ、ということで観たのだが、中学の時に鑑賞してたよコレ。

 人気コメディシリーズ「ポリスアカデミー」の第3弾。州の予算削減のため、2校あるうち1校を廃校にすると公表。それをきいたラサール校長は慌ててマホニーを始めとする卒業生たちを呼び戻し、新しい生徒たちへの訓練強化を図ろうと意気込むが…。(「DVD NAVIGATOR」データベースより)

 つまり、あの面々が教官としてアカデミーに戻ってくる話であって“誰も再訓練させられたりはしてない”んだモン。邦題にする時の訳がいい加減なんですな。原題のサブタイトルは“Back in Training”だったから作品を観もしないで「あぁ、再訓練させられる話か」ってなっちゃったんだと思う。無茶苦茶だ。

 タイトルのつけ方はダメな無茶苦茶さだが、作品の中身はいい方の無茶苦茶さが全開。オープニングでラサール校長が隣席のご婦人に思いっきり顔面パンチするシーン(飛んでる蠅を叩くことしか頭になくて、止まったのがおばちゃんの頬だってのは全く気にしてない)で早くもツボだったりする。もうこのノリが全てなんですよ!

 今回の生徒でいったら金持ちクンとファックラー夫人が地味になっちゃったのが残念といえば残念か。特に金持ちクンは『富豪刑事』とかこち亀の中川のノリでやったら絶対面白くなってたんだけどなぁ。とはいえ全体では皆キャラが立ちすぎなぐらいだったりするんだが。

 吹き替えの声優陣もマホニーが神谷明さんから大塚芳忠様になってますね。神谷マホニーも軽薄なノリが素晴らしく、欠点なんか全くないです。が、それ以上にアメリカ〜ンな映画であるのでホーチュウさん(大塚氏の愛称。旧名及び本名は“よしただ”)のアメリカ〜ン度の高い声質と演技が絶妙にハマってしまったのです。Gガンダムでチボデーの声やってる人ですよ、って言えば納得できる?『フルハウス』のダニーって言った方がよかったか?因みにマイフェイバリット男性声優(更に余談だが女性部門だと勝生真沙子様)。


紅い眼鏡
 押井守という人は凄い監督です。間違いない。但し、凄いのはアニメの監督をやった場合であって、実写はこの限りではない。しみじみ感じた。低予算なのはよくわかるが、それは免罪符にはならんしな(低予算をウリにすべきは、低予算なのに並以上の作品を作れてしまった場合だけだ)。予算がなければ予算にあったモノを作ればいいだけだ。

 押井作品の常連である声優、千葉繁氏のプロモーション作品を作るというところから出発してるというのをどっかで読んだ記憶もあるが今となっては判然としない。が、寧ろその言を信じたくもなる。また、シリアスでもギャグでもない(どっちにもできていない)という批判もわからんではないが、微妙に的外れなんじゃないかなぁ。これが押井オリジナルでの作風なんですよ、きっと。

 よってシリアスだのギャグだのという路線の話は作風だから気にしないとしてもだ、キャストの年齢設定には明らかに無理がある感は否めない。オープニングのテロップ視ると、主役の千葉さんが28歳、鷲尾真知子さんが25歳、田中秀幸さんが27歳の設定で、そこから3年経ったところから本編が始まるから、役上はそれぞれ31、28、30ということになる。で、この作品は87年だから・・・当時の千葉さんは32か33、鷲尾さん37か38、田中さん36か37。視えなきゃどうだっていいコトなんだけど、思いっきり年相応に視えるから無理がでてくる。田中さんも不破万作フワマン(しかも今の!w)と間違えるようなお顔立ちなのに加えて古き良き香港映画の小市民的な髪型なモンだから困ってしまう。

 また、近年の押井オリジナル作品『立喰師列伝』に登場する“月見の銀二”が既に本作で登場している。演ずるは故:天本英世翁。実にハマリまくっている。本作をどんなにボロクソ書いてるレヴューでも、音楽の川井憲次先生とこの怪優に関してだけは賞賛されている程だ。『立喰〜』でも御存命であれば天本翁がやっていた筈なのだ、絶対。

 最後に、ボクの勝手な憶測・邪推・妄想だが、こうしたオリジナル作品を作るための資金集めや知名度UPのためだけに、内心全然乗り気でない原作モノの監督を仕方なくやってたりしてるんだとしたら、ボクは益々ファンになる。そういう割り切り仕事の方が無駄にクオリティ高くて、好き勝手やっていいよってなった途端に真逆で一般ウケしないものを作っちゃうクリエイターって好きだから。んで、また好き勝手モノをやらせてもらうための割り切り仕事で名作を世に出す・・・いいね、こういうの。