アニメにもお笑いにも、ギャグ冬の時代があった

 STARLESSです。会社の先輩が、頼んでもいないのにヒロシのDVD『ヒロシ会』を貸してくれたとです。そのうち観るつもりです。オチはないとです。

〜本日の鑑賞〜
King Crimson - R E D
King Crimson - Sleepless
King Crimson - Three of a perfect pair LIVE
Sylvian & Fripp - Blinding Light Of Heaven
Sylvian/Fripp - Damage
Sylvian/Fripp - Jean The Birdman
 メタル・クリムゾン(この俗称って個人的にはあまり好きじゃないんだけど)の初期型にあたるアルバム『RED』から表題曲のPV。名画の静止画が次々と映るだけだが、妙にいい感じ。たまにジャケで使われている、メンバーのモノクロ写真が挿入されている。

 クリムゾンのライヴはDVD持ってるが曲で抜き出してあるというのは鑑賞し易くていいかなと思い、保存。

 デヴィッド・シルヴィアンとの、所謂Sylvian & Frippは近年のプレイ。バックがトレイ・ガンとパット・マステロットだったので。ってか、ほぼクリムゾンではないか。いい。チャップマン・スティック(みなみらんぼう並に乱暴に説明するならば、十弦ベース。実際はベースとギターの複合体。んで、奏法は主にタッピング)の名手が二人もいるバンドって素敵。


 今更だが、『サムライチャンプルー』の鑑賞をボチボチやっている。特にアニメさんでもない友人に面白いアニメを薦めろと言われて『カウボーイビバップ』を教えてところ、
サムライチャンプルーと同じ監督なんだね」
と言われたので。知らなかったよ、空がこんなに青いとは。ってか蒼いなぁ俺。アオイダーぐらいあおい輝彦。でも個人的にはコバルター派。ってか、一寸は自分で観てるんじゃん(笑)

 予備知識なしの鑑賞では、そこいらのヲタク程度には負けないような眼力を養うつもりで精進しているが、肝心の知識が乏しすぎる。まぁ、実は基本がなってないというのがボクの最大の強みと言えなくもないのだが。

 取り敢えず第9話迄鑑賞。オープニングからヤラれっ放し。音楽と映像の親和性はビバップ以上か。サムライというスタイルを機軸としつつ、ヒップホップや現代的若者像をMIX UP、というか文字通りチャンプルーして全く新しい感覚で仕上げたところが素晴らしい。

カムイ伝』で現代語が使われていた(表現上仕方ない気もするが)時はゲンナリしたものだが、寧ろこちらは逆。ホント、好き勝手やっちゃって下さいって感じ。

 以前にも書いた気がするが、ビバップの第1話で「この先全部観るしかない!」と私に心底決心させたのはオープニングではなくて、スパイクの体術描写である。彼が李小龍ステップをした瞬間にクラっときたものだ、嗚呼これを作った人は“解ってる”なと。

 ある時代迄、タイムボカンシリーズの笑いもドリフ大爆笑と共に、翌日の教室で再利用されていたものだ。ボクは天邪鬼だったのでハナ肇銅像コントや五代目春風亭柳昇の枕(所謂“ツカミ”)の方が笑えると多少強がってはいたが。

 その後、『オレたちひょうきん族』の台頭もあり、『ヤットデタマン』あたりを最後に、アニメの中の“笑い”は一般の笑いからどんどん乖離していった気がする。どういう訳だか『うる星やつら』には全く馴染めなかった。

 そして、中学生になったあたりから、アニメを全く観なくなった。ヲタクになれなかった多くのおともだちがそうであったように。だが、オレはフツーの人にもなれず、路頭に迷う日々を送ることになる。思えば、ドリフやひょうきん族で周りのおともだち同様に笑っていなかった時点で、既に感覚がズレていたワケで。

 その後、クラスメイトの9割以上が知らない音楽やマンガ、プロレス(男女)と格闘技の鑑賞を主な活動とし、大学2年の時、『新世紀 エヴァンゲリオン』の本放送第1話を“偶然”観たことでアニメに復帰。

 しかし、ブランクの長さ以上に元々の基礎知識の無さを痛感。特撮も含めて勉強し直した大学時代。ここでやっとヲタク的笑いのメカニズムを理解することが出来た。
「なんだ、グレチキで笑ってる奴らと一緒じゃん」
 笑うことが結果ではなく、オチを補完させるために笑うという共同幻想を強いる笑い、記号としての笑い。でも林家三平師匠が拳を頭にやるのとは一寸違う。

 当時たまたまTVで視たグレチキのコントで最も酷かったオチは「イエ〜イ」だった。唖然としたがファンの若い女性客は笑っていた。松鶴家千歳師匠の「イエ〜イ」とは本質的に違う、イエ〜イ。ボクは全く笑えなかった。なんというか、故:河島英五氏の「てんびんばかり」の歌詞を思い出す。
♪母親が赤ん坊殺しても仕方のなかった時代なんて悲しいね 母親が赤ん坊を殺したら気違いと呼ばれる今は平和な時♪

 本当にヘンな時代だと思った。が、ムリも無い。小学校3年の時に友人の兄貴が持ってた『スネークマンショー 海賊盤』を聴いてしまっていたのだから。それにしても、違和感を覚えた事がせめてもの救いとは皮肉なものだ。

サムライチャンプルー』には、そうした種別の違う笑いも(多いと迄は言わないが)ビバップ以上に絶妙なヴァランスでチャンプルーされていると思う。ヲタ非ヲタ問わず、アニメという表現に偏見さえなければ、良質のエンターテイメントとして楽しめると思う。この作品を教えてくれた友人に感謝したい。