ヅラを捨てよ、カメラの前へ出よう(でもたまにゃ被ろう)

西田健様

 午後起床。遂にあの名作をマジ鑑賞す。


『Wの悲劇』
 思っていたより人間関係がドロドロしていないのが驚きだった。やっぱ角川映画なんだなぁ、大映ドラマとはワケが違う(笑)

 薬師丸ひろ子,世良公則,三田佳子,三田村邦彦,高木美保,蜷川幸雄,清水紘治(実写版マ・クベw),西田健,仲谷昇という出演者陣もかなり豪華でベストキャスティングに近いと思った。

 ただ、ボク的には大してこの作品そのものには然程興味はなくて、鑑賞動機としては専ら名科白の数々を改めて堪能したかった次第でありまして。

 開演直前の舞台袖で緊張して「できません」とか言ってしまう薬師丸ひろ子三田佳子が言う
「女優!女優!女優!勝つか負けるかよ!・・・いい?」
がナンといっても最強。いやマジこれって最高の人生訓ですよ。少なくとも、ボクやリアル師匠であるNashさんにとっては。

 日常の、ややもすると“あわわわわ”となってしまいそうな局面に遭遇しかかると、この科白が脳内に響き渡り、自然と平静を取り戻せるのですよ。思わず取り込んで着メール音にしてみちゃったりなんかしちゃったりして。

 演出家役の蜷川氏は多分演技をしなきゃいけないということで抑えてやってたと思う。稽古シーンでの怒号も、普段の数分の一程度か(笑)あと、舞台演出自体も氏によるもの。因みに舞台美術は妹尾河童氏でした。むぅ。

 そんな、“俳優”蜷川幸雄氏に怒号を浴びせられていた(勿論劇中のコトです)のが西田健様。オールド特撮ファンには『帰ってきたウルトラマン』の岸田隊員として御馴染みですが、昨今は小道具としてのヅラを変幻自在に操る、類稀な俳優さん(この映画当時の頭髪はヅラかどうかは知りませんが)であります。

 ヅラ装着時は主にエリート系惡人(嫌な官僚や大企業の重役等含む)を、禿時は対極的な善人や小人(最近は『新・京都迷宮案内』の城戸部長など)を完璧に演じ分けているので、カミングアウト(確か昨年くらいだったかな)後も同一人物だと気づくのに時間が掛かったくらい。

 事実、カミングアウト後は役者としても幅が広がった気がします。以前の『京都迷宮案内』ではヅラを被っての城戸部長役でしたが、どうしても必要以上に“ホントはもっと何か企んでるんじゃないか?”なんて勘ぐってしまってましたから。

 岩下志麻さんが出てると、仮令ホームドラマでもどっかで殺人が起こるんじゃないかと思い込んでしまうようなモンですね(笑)

 ヅラカッコイイ上にハゲカッコイイというのは或る意味理想形です。ってか、カッコよけりゃ別にどっちでもいいワケで。今後も役作り上の小道具としてヅラを使い分けて活動していって欲しいです。

 あと、当時新人の高木美保さんがキレイです。ってか今でもボクの中の眼鏡十傑には必ずエントリーされていますよ。


 なんか久しぶりに『サザエさん』鑑賞。波平の往診にきた医者が木槌で膝を叩く、所謂反射神経のテストをしていたところ、「おじいちゃんをイジメちゃダメですぅ〜」と医者を後ろからピコピコハンマーで殴りつけるタラちゃん。

 タラオの内なる凶暴性を垣間見た気がした。というか、この歳にして愛する者(この場合は家族)のためには凶行に及ぶことも辞さないという一面(或いは単なる幼児性暴力癖の片鱗か?)があるのだなぁと思った。意外だ。

 この歳になって尚、新たな発見がある『サザエさん』って凄い。長寿番組は伊達じゃない。


〜五輪〜
 プロフィールの画像とか、かなりよろしくないのでノーマークだったが、スノーボードクロス藤森由香選手、実物は普通に可愛いかも。写真、撮り直せばよかったのに。


 テレ朝『日曜洋画劇場』は山下泰文大将こと水野晴郎先生の監督作品です、ってソレは『シベリア超特急』。『闘将!!拉麺男』に出てくるムエタイのチューチャイの必殺技か?ってソレはチェンマイL特急。つーコトで正解(?)はスティーヴン・セガールの『暴走特急』でした。ま、いずれも俺の妄想特急の敵ではないが。

 とはいえ彼の合気の技は本物だ。学生の頃に彼の七段の昇段試験(演武?)を肉眼で観たことがあるが、流麗な動きに驚嘆したのを思い出す。確か現在は八段を持っている筈。

Wの悲劇 [DVD]

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