オマエじゃなきゃダメなんだッ!

 出社して、ボールペンを紛失していたことに気づく。これがないと、ナニかと調子が出ない。いや、特別な品ではない。普通にコンビニで100円だか105円だかで売ってるヤツ。

 これをカチカチやってないと落ち着かない。勿論、始終やってるワケじゃない(耳障りだ!って怒られそうだし)。ただ、何かの拍子にカチカチしないとしっくりこない。

 同じ安物でも、会社で支給される無味乾燥な(?w)ボールペンではダメだ。いつも自腹で購入している。些細なことかも知れないが、ボク的には頗る重大な問題。

 今日は忙しくて買えなかった。明日は、なんとしても買わなくちゃ、あのボールペン。


 滞っていた『カムイ伝』(豪華本全15巻仕様)8巻読了。ややもするとその面白さに引き込まれ、ただただ読み進めてしまいがちになるは愚か也。

 やはり作者である白土三平先生の目線の縦横無尽さを意識せねばなるまい。

 時に神の如き領域からの俯瞰、時に地を這って逞しく生き抜こうと足掻く百姓・非人の目線、時に支配階級である為政者(上流武士)の目線、一見身分に庇護されているかのようでその実厳しい戒律に生きる武士の目線、常に闇の世界でのみ生き壮絶な掟に縛られた忍者の目線。

 そして、何と言っても異端的な扱いなのは金の力で為政者をも動かそうとする商人の視点。損得という絶対的な尺度を行動原理とする夢屋(登場人物名)は、善人のような悪人か、或いはその逆か。

 自分が商売人の家系に生まれた人間であることも多少あるかも知れないが、他の登場人物とは些か異質なロジックで動くところに多少魅かれる部分もある。掴み所の無さなんか、特に。まぁ、「ああなりたい」というのとは少し違うのだけれど。