これは茶番ではない!
改めて久しぶりに『モンティ・パイソン・アンド・ナウ』鑑賞。これは元々ビデオをダビングしたヤツで持ってて、PC始めた頃にデジ化保存してあった。因みに吹き替え版。
TVシリーズの傑作スケッチ(コント)をリファインしたものを違った脈絡で繋げたりしていて興味深い。今回、TVシリーズを(今のところ初期だけなんだけど)しっかり見直したことで、TVと『アンド・ナウ』がミックスアップ的な関係にあることがより明確に理解できて面白かった。
特に「死んだオウム」を“起承転”迄やって“結”に行かないで「オカマの床屋(ランバージャック)」の後半部分へ繋ぐあたりは凄い。しかもパンチライン(オチ)を拒否してる(でも次のコントへの繋ぎの爆笑1発ネタはしっかり用意されている)し。
彼らの考えでは、練りこんだシチュエーションコントで一番弱い部分がオチなんだそうだ。だから盛り上げに盛り上げたら収束させないためにコントを“中止”(!)したり、次のコントに繋いでいき、受け手のテンションを持続させるのだ。勿論、「三ツ星レストランにて」みたいにパンチラインのしっかりある作品もあります。
そういった意味で196㎝の大男、ジョン・クリースがビシッとタキシードを着て豚の丸焼き機(手動でグルグル廻しながら焼くヤツね)に架けられたり(勿論下で火が燃えてる)、ビキニの美女を一人ずつ映していって最後にビキニでセクシーポーズのジョン(でも顔は大真面目)が「(このギャグには)責任持てんからね」という一発シリーズが絶妙な笑いを生むのである。
因みにこのビキニのギャグはTVだと第2シリーズの第9話『マーガレット・サッチャーの脳みそはどこにある?』(凄ぇタイトルだな)のオープニング。
ただ、一つだけ意外だったのは、吹き替えじゃない方がいいのに、なんて思ってしまったところ。『Mr.BOO!!』シリーズ同様、吹き替えで観ないと面白さが倍増しないと思い込んでいたのだが。
パイソンズたちが言葉のスペシャリストなので、英語特有の韻とかのリズムやイントネーションの面白さに馴れてしまったボクには吹き替え版は少々キツいみたい。
とはいえ吹き替えの声優は、広川太一郎氏、山田康雄氏、納谷悟朗氏、青野武氏、飯塚昭三氏、古川登志夫氏等、考えられる最強の布陣である。だから声優の問題ではない。なので初心者には逆にお奨め。DVDでもこの作品については吹き替え版も収録されているようなので尚更お奨めです。
ついでなんで『モンティ・パイソン・アンソロジー』から「パイソンナイト」鑑賞。すっかりジジイになっちゃってるのに或る意味若い頃より過激なコントをやってしまうジョン・クリースはやっぱ凄い。
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