元祖コスプレ歌手

戸川純

 ジャレコの忍者シリーズが今アツい師走、多分オレだけ。『忍者 じゃじゃ丸くん』は40数面、『じゃじゃ丸の大冒険』は20数面迄。どちらも数周してみたが、もうちょっと骨の有る感じでも良かったかな。ってか、エンディングを用意しておいて欲しかった。


 今週後半のiPodの中身は最近のブログで触れたモノ中心。
森口博子
Folder5
戸川純(ソロ,ヤプーズ,ゲルニカ)
少女革命 ウテナ(J.A.シーザー)
 単純に所有アルバム(曲)数の関係で、戸川純サマのお声を聴くコトが多目。ゲルニカクラウド9」での巻き舌唱法は椎名林檎の初期なんか目じゃねぇぜ。

 最初に聴いたのは中学の頃。取り敢えずと買ってみたベスト盤で本格的にハマる。ベストというダケあって、彼女の様々な唱法が収められていて入門編には最適ではないだろうか。まぁ逆に言うと、コレ聴いてダメだって人はもう聴かない方がいいかもね。

 そういや高校の頃、家族で楽しく夕食してて、どういう娘が好みのタイプかと訊かれ、
戸川純
と即答したら、両親の顔から笑みが消えてしまったのを覚えている。そんなことだからいつまでたっても彼女ができない云々言われたような。ははは。今日は俺セレクトで聴く。明日も早朝出社なんで数少な目なのが残念ですが。

「バーバラ・セクサロイド」はベスト盤でも1曲目。ベタなスパイ活劇風イントロがニクい。代表的な悶え歌唱。♪制作意図はアレだけよ〜♪とか♪朝の来ない毎日よ〜♪って歌詞にガツンとヤられたのを覚えてる。

「隣の印度人」NHKみんなのうたで流して欲しかった1曲。

「ヘリクツBoy」「遅咲きガール」「ロマンス娘」「セシルカット」あたりは問答無用でキュートですね、なんて言ってる人は結構ヤヴァい。そう、高校時代のオレがそんな感じ。

「肉屋のように」タイトルからしイカす。NHK『まんがで読む古典』にゲスト出演した際に語っていた恋愛論(交尾の後に雌が雄を喰うという、蟷螂のような恋愛が理想とおっしゃってました)そのままの、極上の戸川流ラヴソング。あと「好き好き大好き」もコレに近いかな。♪愛してる って言わなきゃ殺す♪は名フレーズ。

「ラブ・クローン」ナルシシズムの極北。クローン技術で自分を複製して愛するという内容。一種偏執的愛情は戸川作品永遠のテーマ。歌詞とは対照的に、唱法的にはワリと正統派ポップスな感じで、かなり好き。

「コレクター」♪道を聞くふりして エーテルをかがせて トランクに押し込めちゃうわ 私の愛拒んだ罰よ♪んで、地下室に監禁・飼育というパターン。サビの♪私はマニア〜♪という高音ビブラートが最高。イっちゃってるストーカー女、もまた戸川的王道。

「労働慰安唱歌」♪働けども働けど♪に始まり♪農民は寓話と奇蹟を信じる♪で終わる歌詞が妙に切ない。朴訥歌唱。

「ロリータ108号」鉄人28号のロリータ的解釈(か?)。♪脱げない 白いハイソックス エネルギーは ミルク・キャンディ♪ってマズイね、ど〜も。また、歌詞に“鉄のヴァージン”という記述もあるあたり、バーバラ・セクサロイドとは設定が違う。安易に性欲処理へ向わない分、却って歪曲した感が。

「宇宙士官候補生」高度成長期のSFチックな“希望溢れる明るい未来予想図”って感じで凄く好き。
時間とき溶かして行くよ 謎と希望の星まで
限りない夢秘め 孤独の瞳輝く
尽きることのない 甘く苦い 記憶を 辿ってる
浅い眠りの後 遥かな旅 飛び立つ
二度と逢えない かも知れないけど
微笑みせ 「すぐにもどるさ I LOVE YOU」
Space Cadet  Space Cadet♪
って、なんか泣ける。因みに2番の
♪二度と逢えない かも知れないけど
星を1つ 「もってかえろう きみに」♪
もたまらない。

「パンク 蛹化の女」シメはこれしかない。ライヴなんかでゼーゼー息を切らしながら絶唱してたのが印象的です。もっと再評価されて欲しいような、それでいてこういう一面だけがフィーチャーされて欲しくもないような。

戸川純 TWIN VERY BEST COLLECTION

戸川純 TWIN VERY BEST COLLECTION