ゴッドハンド斯く語りき

マス大山

 いつの間にか9万HIT超。これといった売名行為(立原啓裕升毅牧野エミによる演劇ユニットじゃないよ)をしないで年間10万HITが密かな目標だっただけに、こりゃイっちゃうな。取り急ぎこの場を借りて読者の皆さんにお礼申し上げまする、ってまだ達成してねぇのに(笑)


 普段より早い帰宅。テレビつけたらテレ朝『芸能人節約バトル』やってた。金を使わない競争、ではないのね。それなりに普通の生活を維持しつつ素人でも出来るレシピや節約術を紹介し、番組本で儲けようというワケだから。

 出場者を芸能人に限定しているが、元自衛隊員の今井雅之氏みたいに、虫喰ったり雨水飲んだりとガチのサヴァイヴァルやってきた人出たら一銭も使わないでアッサリ優勝だもんなぁ。

 目下のところ濱口くんが優勝できない(しない?)理由はここだよね。邪道に権威を与えるということは自ら企画を否定することになるワケで。ただ、彼の噛ませ犬っぷりが番組に大きく貢献しているというのもまた事実哉。


グラップラー刃牙』29巻迄読了。ズールに試合開始前の不意の猛ラッシュを仕掛けられ、気絶してしまう刃牙。本来であればズールの反則なのだが、試合開始前とはいえ勝負に油断があったとして刃牙に負けが宣告されてしまう。

 己の肉体以外に武器を使用しないというルールがある位だから、試合開始前に攻撃された方が負けってルール無視は酷ぇなぁ、と一瞬思うのだが、ここからが凄かった。実際にあった事例を引き合いに出してしまうのだ。

 91年の第5回オープントーナメント全世界空手道選手権大会(極真世界大会)の第4回戦、フランシスコ・フィリオアンディ・フグ戦に於いて、明らかに試合中断の合図の後に出されたフィリオの蹴りをクリーン・ヒットさせられてしまったフグの方に負けの裁定が下った、というアレである。判定を不服とするスイスチームに最高審判長の大山総裁が
「真剣勝負は一瞬の油断も許されない!『止め』の合図があったなどという言い訳は私には通用しないッ!」
と言い放ったこの一件。ボクは空手版大岡裁きだと思っている。ルールを重んじる近代スポーツの範疇からすれば無茶苦茶理不尽な話だが、ここで総裁が言いたかったのはスポーツ的ルール以前に極真空手は“武道”であり、常に真剣勝負が信条だということだと思う。

 確かに、中断の合図の後に蹴りを出してしまったフィリオは反則かも知れないが、如何なる局面であれ真剣勝負の最中の“油断”は武人として反則以上に許されざる行為である、ということだ。総裁らしいエピソードである。門下生に千葉真一先生がいるというのは伊達じゃない。因みにサニー千葉が在籍していたのは極真の前身の大山道場時代。

 さて、ここで作品世界の整合性が1つ失われたことにお気づきだろうか。過去の事例とはいえ、実存する団体を出してしまったのだ。これが何を意味するかというと、“じゃあなんでそんな有名な団体の猛者が全く登場して来ないのか?”という至極単純な疑問である。

 というかそれ以前に大山総裁をモデルにしたとしか思えない空手家、神心会館長“武神”愚地独歩おろちどっぽというキャラクターを登場させている(こちらは“虎殺し”)ワケで。

 まぁ、コレについては作者の板垣先生は前述の大山総裁の反則より油断を惡しとしたように、作品世界の整合性を少々欠いてでもそこにリアリティーを表現したかった、ということでいいと思う。これ以上のツッコミは野暮ってコトで。

 因みに、一旦は負けを宣告された刃牙だったが、試合終了の合図の後も尚攻撃をしてくるズールに対し反撃し、最終的に判定を覆している。このあたりもまた大岡裁きである。

〜格闘技関係余談〜
 自民党佐藤ゆかり議員がTVに映ってた。よくよく視たら口のあたりが極真ブラジル支部の磯部師範(現在の肩書きは極真会館南米地区連盟総責任者7段)にソックリだというコトに気づいた。