焦燥感

アドバルーン/服部祐民子

 早朝、墓参りを済ませて帰京。36時間も滞在しなかったが、実家に帰ると色んなことがある。風呂場に体重計があったんで、乗ったら70kgになってた。ピーク時から4kg減か。目標の64kgはまだ遠い。

 妹に、帰りの飛行機代の足しにと(何故か)財布に入ってたなけなしの福沢さん5人を渡す。母は結婚が決まっている状態の従姉妹に「誰かいいお友達を紹介して頂戴」と言っていた。お前はタモリか、って言えなかった俺の意気地無し。

 数年前までは、年の離れた親戚の兄ちゃんが独身だったので気楽だった。当時の俺の決め台詞は「医者だって簡単じゃないんだからさぁ」だったんだが、彼も30代半ばであっさり結婚しやがって。やっぱ医者マジックか。

 そんなワケで、ここへきて益々風当たりが強くなってきている状態。んなコト言われてもなぁ、である。夜空を見上げちゃあ「俺のシータはいつ降ってくるんだ」とか言ってるプチダメ人間なんだからどうしようもないんですよ。同じ人に2回も3回もフラれてるポンコツ野郎なんですよ。紙がないと気づくのはいつもウ○コを出した後なんですよ。帰りの新幹線でボンヤリ景色を眺めてたらiPodから服部祐民子さんの「アドバルーン」が流れてきてちょっと泣いちゃったんですよ。あ〜、もわぉ。

 午後には帝都。チクショー、映画一杯観てやるっつーコトで。


奥さまは魔女
 学生の頃、オリジナル版のファンだという知人が言っていた
「この作品が日本に入ってきた当時、作中の家具や車なんかのデザインを含めてライフスタイル全てが日本人の憧れだったんだなぁって感じ、凄ぇわかるよなぁ」
なるほど、と思ったものだ。まだ羨望の眼差しの先に陣取っていることができた頃の亜米利加文化は確かに魅力的な匂いを漂わせていただろう。

 だからって現代版やられてもなんて思ってたんだが、これが単なるリメイクじゃないと訊いて、取り合えず観ることにした次第。だって最近、和風リメイクのドラマ(勿論観てないけど)にもなったりしてたのでちょっとナメてました。

 劇中でのオリジナル版のポジションというか作品としての“こなし”が絶妙。終始「へぇ」とか「ほぉ」なんて感心しながら観ちゃいましたね。そりゃぁ、特に感動はなかったけど、確かな感心はあったかな。

 ニコール・キッドマンがとてもチャーミング(こういう印象なかっただけに新鮮)でした。アイリス役のシャーリー・マクレーンもいい味出してた。あと、ジャック・ホワイト(ダーリン)役の人、笑い方が関根勤さんと全く同じであることを発見。俺一人だけ爆笑を堪えてる感じで辛かったなぁ。テレビだかビデオだかがソニー製だったんでもしやと思ったらやっぱし配給元はソニー・ピクチャーズでしたね。


ファンタスティック・フォー
 もはや食傷気味っぽくなりつつあるマーヴル系アメコミヒーロー物。どっちが先だったかは調べる気も必要もないが、特殊能力関係のヴァリエーションとか考えると『ワンピース』の方が遥かに上って感じでしょうか。主役のゴム人間、そんなにいいとこなしだったし。ジェシカ・アルバは可愛かった。『ダークエンジェル』の娘だったのね。雰囲気変わったなぁ。それにしても、やっぱどこの世界でも電気系は強いんですねぇ。


頭文字D
 初めてWinampを導入した頃は既に動画対応になっていた。動機としてはネットTVなんてものが観れるということだったのだが、実際は海賊放送的なシロモノだった。海外のアニヲタがエヴァンゲリオンやら俺の知らない日本のアニメやらに勝手に字幕をつけて配信しまくっていた。そんな中にこの作品(のアニメ版)があり、モータースポーツ関係に殆ど興味のないボクも、なんとなく観てるうちに好感をもつようになっていった。

 アニメでは車のシーンにCGを使用していたのが特徴的だった。今回の実写版は一部のシーンがそんな感じだったが、演出上の車の魅せ方だと思う。かなりの台数を潰したということなので、やはり迫力あるドライビングは実車での実写なんだろう。

 拓海役の人は品川庄司の庄司くんにしか見えなかった。須藤役の人はレッドキングの花見卓哉氏にしか見えなかった。拓海の親父役の人と高橋涼介役の人と樹役の人は『インファナル・アフェア』繋がりか。鈴木杏ちゃんが問答無用で可愛かった。

 日本製のアニメやゲーム原作の映画というと、『ストリートファイター』とか『マリオブラザーズ』とか『北斗の拳』とか、もう勘弁して下さい的な作品が多かったが、『バイオハザード』並にそこそこちゃんとしてる。舞台のローカルさ具合も含めたらコッチの方が親近感湧くかも。

 原作と比較してしまうと部分的にかなり端折った箇所や展開の違う箇所もあったりするが、正直よくまぁコンパクトに纏められたモンだと感心してしまった。香港映画界は本当に貪欲で怖い。異国のド田舎の峠でやってる非合法カーバトルの話だよ。ヘンな話、日本で作ったら逆にここまでのレヴェルのものが作れただろうか、とすら思った。


シンデレラマン
 実話ベースらしいですね。凄ぇな。ただ、なんか淡々とストーリーが進むのでこちらも淡々と観てるうちに終わっちゃった、みたいな。レネー・ゼルウィガーが出てるから一寸楽しみにしてたんですが、痩せちゃっててゾクっと来なかった。やっぱこの人は『ブリジット・ジョーンズ〜』の時が最高にムチムチしてて、イ〜ネッ!