誰か作って作って作って

スタパ齋藤

 午前6時半。不意に目覚めたホテルの部屋は、煌々と明かりが灯っていた。パンツ一丁。いや、何故か眼鏡は掛けていた。酔っ払って帰ってきてそのまま寝てしまったようだ。昨夜といえば深夜近くまでの残業後、疲労困憊の中での酒宴。こんなことは初めてだが、酔いMAXあたりからの記憶が微妙に欠落している。

 ふと卓上のVAIO type Uを視ると、電源が入ったまま。覚えがないがこのブログが更新されていた。前半の部分は夕方、ホテルにチェックインして部長が合流してくるまでの時間潰しで素面で書いていた部分なのだが、“・・・この間、実に数時間。”以降の文章及びタイトル(いつも最後に考えています)には覚えがない。が、何度読んでもこの文体はオレ以外には書けないワケで。しかも電話まで掛けたらしい。履歴をみると、確かに掛けている。う〜む。

 部長に昨夜のことを訊いてみたところ、特に奇行・不適切発言もなかったようだ。が、ホテルに戻る途中、しきりと
「HPを更新しなければならんのですよ!」
なんて言っていたらしい。ネット弱者に分かるよう、ブログをHPに言い換えたんだと思った。あと、愕いたことに部長の煙草を取り上げて吸っていたらしい。知らぬ間だけとはいえ、断煙できてないじゃん。


 帰りの新幹線で雑誌『iNTERNET magazine』。レジに出した時は「1,050円です」って言われて一瞬絶句したが、読んだらとても面白かったのでヨシとする。巻頭の、松岡正剛という人のインヴューと特集記事(検索を制する者はネットを制す! 検索ビジネス最前線)を読むだけでも価値があるかな。ボクみたいに理系脳がない人が“解る部分だけ”読むというだけでも充分面白いと思う。

 これ読んで思ったのはブログとビジネスの自然な関係ってなんじゃらほい、ってコト。今のアフィリエイトって、なんか好きじゃない。でも、こういうのは面白いとは思ってる。だから、もっと進化したらいいな。

 ブログ(及びネット全般)の匿名性って二種類あると思うんですよ。匿名だから気兼ねなく虚構が書けるし、また匿名だから気兼ねなく本音が書けるという。推論ですけど、ブログ流行を牽引してるのはどちらかといったら後者じゃないのかなぁって。

 ボクのブログの姿勢が正しいなんて思っちゃいないんですが、リンク・トラバ・引用大歓迎、但し自分からは消極的って感じ。キーワードはいいとしても、リンクについてはいつも“ttp://〜”として、リンク元からコイツが紹介してくれたのか、ってあからさまにバレないよう心掛けています。

 単に自分のキャパがそんなにないので、カヴァーしきれない程急激に世界(繋がり)が広がって欲しくないんですよ。面白がって読んで下さる方は幾らでも増えていいんだけど、実際に新規で遣り取りさせて戴く方は、多くても月間数人程度が限界だと思ってるし。

 いつもコメントで溢れてる人は凄い。でも、コメントを期待してるかどうかは知らないけど、黙々と書いてる人も同じくらい凄いと思うんですよね。

 んで、黙々と書いてるような人にもいい意味でスポットライトが当たったら面白いな、って思うんです。本人の全然知らないところだったりしても面白いだろうし。好きなモノ(コト)をアツく語ってたり、嫌いなモノ(コト)をケチョンケチョンに書いてる人なんかは特に。

 ヘンな話、愛があろうがなかろうが「この商品はここが悪い」とか「何故この商品に魅力がないのか」なんてのを真っ当に(ココが重要)けなしてる人の意見って、褒める人の意見と等価値(場合に因っちゃそれ以上)だったりすると思うんですよね。実際、ユニクロではネットで最も優れた悪口を言った人に賞金を出すなんて企画もやったらしいですし。ヒット商品開発のヒントのコストだと思えば寧ろ安いワケですからね。

 これをもっと自然なブログビジネスにするなら、対象となる企業がコメントやリンクやトラバをしたり、何がしかの報酬で応えたりしたら面白いんじゃないかなぁ、って思ったんですよ。んで、この“何がしかの報酬”ってのがミソで、書き手が金銭を選択すると「なんだよ、やっぱコイツ金が欲しくて書いてんじゃん」って思う読者がチラホラでてくるワケですよ。これがまた面白いかなって。中間にブログサーヴィス提供元が入って報酬の内容(金銭なら数%を提供元が取るようにすればビジネスになるし)をガラス張りすればよし。

 ただ、飽く迄も本道は超個人的ブログなワケだから、その人が普段どういうスタンスでどういうコトを書いてるかってのが第三者的読者に査定されるでしょ。無報酬を貫くことで【漢】をあげるという別の意味での“結果的な報酬”はあってもいいなと。この場合の報酬ってのは金銭以外からくる満足度とでも言いましょうか。

 稼ぎたい人ばっかになったらなったでブロガーが淘汰されたり、提供元のユーザ層が変わったりして、新たな展開になるかも知れない。非金銭目的系の人ばかりが集まるブログができたとして、やはりそこには別の意味での価値が発生しますから、逆にそういうところのポータルに広告出したいって企業も出てくるでしょう。やっぱビジネスにはなると思うんですよね。

 非金銭目的系の人がたまに「そういやコレ買ったんだけど、ココがいいんだよねぇ」とかって書いてるのを読んだ時の方が逆に購買欲が刺激されたりしません?説得力あるっつーか、寡黙なヤツがたまにポロっというギャグがめちゃめちゃ面白い感覚っていうのかなぁ。牛乳瓶の蓋眼鏡のイインチョーが眼鏡とったら美少女だったとか、私服は意外とエロかったとか(笑)

 また、説得力なんてのは色々あります。ブロガーかどうかは知らないけど、スタパ齋藤氏が週アスじゃなくてブログで『物欲番長』書いてアフィリエイトしてたとしてもボクは好印象のアフィリエイターだと思いますね。氏がファミ通で書いてた頃とか、氏の人となりを知ってれば寧ろアフィリエイトでガンガン稼がせて更に色んなモン買わせて色んなコトを書いて欲しいって思えるから。これもまた説得力ですよ。まぁ、ボクは紹介されてたヤツ買ったコトないんですけどw

 なんつーか、ブロガーが垣間見せるライフスタイルから滲み出るその人の説得力、みたいな。んで、GoogleがYAHOO!を突き放したページランク的発想でブロガーの説得力を測ったら面白いんじゃないかなぁ。はてな地図ともまた違った指標になって面白そうな気がするんですよね。因みに、ページランクってのは簡単に言うと単にリンクが多いかどうか以外に人気のあるページからのリンクかどうかやリンク元ページのリンク数が少ない(レア)かどうかなんかでそのページを査定するというシステムね。


あ、不定期写真館「俺様ちゃん」更新(2枚)。