それにつけてもナチスのオカルティズムはネタになり易い
起きたら夕方。取り敢えず昨日観た映画の感想その他でも。
〜劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者〜
確か、『機動戦士 ガンダムSEED』の後番組だったと思う、『鋼の錬金術師』(以下:ハガレン)のTVシリーズが始まったのは。ワケあってSEEDの最終回を観ていた私は次週からの予告をみたのだが、その時は
あぁ、これで来週からこの時間にTV観なくて済むな
なんて安堵したものだ。ボクにとってハガレンの第一印象は、
観るに値しない、昨今のくだらないヲタ向けファンタジー作品
であった。キャラクターの瞬間的ギャグ顔とか“錬金術師”って語彙の胡散臭さなどが大いに作用していたと思う。
15話(「イシュヴァール虐殺」)あたりだろうか、当時のチャット仲間が猛烈に薦めてきた。私はいつもの調子でやんわりと観たくない理由を述べた。しかし、珍しく彼が引かない。
カン違いしているぞ。お前が思っているような作品ではないぞ。
そうか、そこまで言うのなら、というワケで観たんだが、思いっきり1話から観なかったことを後悔するハメに。取り敢えず当時ほぼ同時進行だったマンガ版で補填したのを覚えている。
TVシリーズの最終回。エドは弟の肉体を取り戻す代償として自ら“門”の向こうの世界に飛び込んだ。そしてエドが辿り着いた向こうの世界が第一次大戦中のミュンヘンだった。というのがラストかな。
んで、今回の劇場版だが、TVシリーズから少し経ったところから。我々の時間(歴史)でいうと、敗戦国となったドイツが第二次大戦を起こすあたりまで。
元の世界で敵対関係にあった人物なんかがこっちの世界じゃ協力者だったりとパラレルワールドの妙もあったりしてなかなか面白い。
ハガレンの構成上の魅力は、ギャグとシリアスが表裏一体を為すそのヴァランスにある、と再確認させられた。クーデター後、伍長に降格となったマスタング元大佐(それでも除隊にすらなってないことや、元部下が以前と同様に軍内にいれるあたりがこの人の有能さだと思う)とハボック少尉との遣り取りは必見。○○○を○る元大佐のぎこちない動作(ナイス作監!)で笑いを誘いつつ、次の瞬間には深い科白が待っているという。
残されたホムンクルスの人生(正確には“人”じゃないんだけど、人と言ってあげたい)のケリのつけ方とか、忘れがちだけど好フォローしてるなぁと思った。
あと、ボクの感覚だと榊原良子さんとか井上喜久子さんあたりが演じるっぽいキャラ、演じていたのは女優のかとうかずこさんでした。意外とイケますね、この人。
「命」「人間」「戦争」「差別」といった深遠なテーマを扱えば扱う程に内容そのものが薄っぺらになってしまっている作品が多い昨今、錬金術という変化球ながらも立派に勝負してると感じた。このレヴェルが維持できるのならば続編(が作れそうな終わり方でした)にも期待したい。
メシ喰って新宿駅西口辺り。易者の方がチラホラ。ついでに手相でも診て貰おうかなと思ったら、姓名判断とか人相占いとかばっかで手相の人いなかった(そんなに真剣に探さなかったのもあるんだろうけど)んで、またの機会に持ち越し。
帰りの京成線、中吊り広告。国立科学博物館の特別展は、
縄文 VS 弥生
だそうで。ってか“VS”ってなんだよ。しかも“ガチンコ対決!!”なんてコピーまで。もうちょっと真面目にやれ。