”オペラの怪人”なら伊集院光

 先ずは昨日の続き。アマゾンで「カンニングのヘイ・ユウ・ブルース」を注文。これだけだとナンなので「ザ・コレクターズキング・クリムゾン Vol.8」というBOX-SETも一緒に。そのうち買おうと思っていた品ではあったが、まさかカンニングと一緒になるとは、ねぇ(笑)

 苦手とするモノの克服。これができた時、自分は更なる高みに到達できるのではないかと思っている。オペラだのミュージカルだのってのは私にとっては苦手以外のナニモノでもない(クラシックとか×××も苦手ですが)ワケで。先ずはソレ風映画から。つーコトで「オペラ座の怪人」を観に行った。

 自分ではなかなか善戦したと思う、なんて言ったら単なる自己満足か。高音域の歌声の洪水は昏睡への序曲、というコトで結果は30分程度しかもたず熟睡。“善戦”の論拠が“怪人ファントムが登場したところまで覚えてるから”じゃいけませんかねぇ。

 自称善戦とはいえ負けは負け。なんとかしてこの敗戦ムードを払拭したく思い、もう1本観ることに決定。「ネバーランド」は、てっきりマイケル被告の所有する同名施設の話かと思い込んで(どうやら違うらしいって今さっき気づきましたが)いたので却下。

 そんなこんなで「きみに読む物語」に決定。こういう感動作っぽいのは本来得意ではないのだが、「オペラ座の怪人」のリヴェンジということであれば相手として不足は無い。んで、いざ鑑賞。

 全く退屈することはなかった。現実劇と朗読劇が絶妙のタイミングで入れ替わるからかと思われる。こうした多層構造の妙という観点では以前言及した「突撃せよ!あさま山荘事件」の感想文が参考に(http://d.hatena.ne.jp/STARLESS/20040801)・・・なんねぇか(笑)

 内容については、CMから想像する程お涙頂戴的な感じでもなかった(だからこそ、あんなCMは即刻止めた方が賢明だと思うのだが)のが逆に良かったと思う。個人的に勘が働いてしまい(というか“オレならこうするな”がクリティカルヒット)、ドアタマでストーリーの核心的な部分を、文字通り“読んで”しまったのが素直に感動できなかった原因かも。

 また、物語の中では本当に些細な戦場のシーンにもかかわらず、丁寧に作られているのに感動した。こういう“ちょっとした”ところを等閑にしてしまったがために作品全体が成立しなかった例は数え切れずある訳で。必要なディティールに適切な予算を配分したところは充分評価できると思うが、そこそこ上流階級という設定ながら少女時代のアリーの笑い方について些か品性を欠いている気がして、冒頭から既に物語りに入り込めなかった。この辺、逆に冷静に観てしまった所以かも。

 あと、流行らせたいのはわかりますが、”きみ読む”なんて自ら品位を貶めるような略し方するのはやめましょう。

きみに読む物語 スタンダード・エディション [DVD]

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