プロデューサーはミッキー・カーティスでした

 今年5歳になる息子の、初めてのバイオリン発表会。大丈夫かなぁ。失敗しないでくれよ。…喩えるならまさにこんな心境でみつめるブラウン管の先に居るのはカンニング竹山。本日のMステでJanne Da Arcとかいうバンドの応援ゲスト(そういや何故かアルバムのCMやってたな)だそうで。

 いやぁ、ゴールデンで観る竹山さんはなんとも儚げな(果たしてこの形容が妥当なのかと云う疑問は尤もではあるが、実際そう視えたので)感じ。本域でキレるキャラを演ってはいけない場であろう事は本人も重々承知してるっぽいのが伝わってきた。

 コレが日テレだったらどうだか判らないモンだ(エンタの神様での一件のことを言っているのではない。アレは明らかな演出だ。そんなコトわかってらぃ)が、ここはテレ朝。「虎乃門」や「笑いの金メダル」等、今日のカンニングの人気の礎を築いた番組の多くを放送している局であり、竹山氏自身も“テレ朝っ子”を公言していたと記憶している。

 彼については“礼儀正しい”とか“真面目”等の証言が後を絶たないし、実際のところ“そう”なんだと思う。だからこそ、殻を破ってオーディエンスがマジ引きするようなキレっぷりを披露して欲しいのだ。私はついつい、在りし日の大竹まこと氏と比較してしまうのだが、これ自体が間違いなのだろうか。取り敢えず竹山氏が「600枚しか売れてない」と言っていた、彼らのシングル「カンニングのヘイ・ユウ・ブルース」でも取り寄せてみようかと思っている。


 ヘイ・ユウ・ブルース…そうこの曲、ご存知とは思いますが元ネタは左とん平(西遊記Ⅱの猪八戒ね。因みにⅠは西田敏行)氏が1973年にリリースした「とん平のヘイ・ユウ・ブルース」。時は流れて90年代初頭。大槻ケンヂのANNでこの曲(他にも山崎ハコ「呪い」とか杉良太郎君は人のために死ねるか」とか月亭可朝嘆きのボイン」等、当時すっかり忘れ去られてした名曲をフィーチャーした功績は大きいと思う)が流れました。俺はここが再評価への発端だと思っているのですが、ここから数年後、一部クラブシーンで絶大な支持を得ることになります。なんかレア・グルーヴとかそういう流れだったようだけど。いや、確かに曲渋いから。

 大学生になっていた私は、学校帰りに当時まだ移転前の渋谷のWAVE(タワレコよりWAVE派でした)で推薦盤だった(!)コレと、underworld「dubnobasswithmyheadman」とニューキー・パイクス「NUKEY PIKES」とネロリーズ「STARBOOGIE」なんぞを買った覚えがあります(買い方滅茶苦茶だな)。

♪世の中“すり鉢”だよ 人生は“すりこぎ”だよオゥマイベェベエェ!♪
とか
♪ヘイユウ!ワッチュワッチュネェ〜ム!♪

とかに当時は笑ってしまうような、コミックソングの延長的な聴き方だったのですが、今回聴き直してみて、余りの“深さ”に愕然としました。流石今月で三十路ですわ、私。特に発見だったのは、

♪仲間は皆同じスイカを盗んだ 仲間は皆同じ女に抱かれた 仲間は皆同じ汽車に乗った♪

という部分。同じ女を“抱いた”のではなく、同じ女に“抱かれた”ワケです。この些細なニュアンスの違いに気づけなかったことと、“こういうの”とか“青江美奈”みたいなのがブルースだと信じ込んでしまったのは、当時の若さというかヴァカさでしょうね(笑)

 因みに、4曲入り仕様なのですが、この他の曲
「東京っていい街だな」
「とん平の酒びたり人生」
「続・東京っていい街だな」
等、どれも秀逸。棄て曲ナシ!

とん平のヘイ・ユウ・ブルース

とん平のヘイ・ユウ・ブルース

カンニングのヘイ・ユウ・ブルース

カンニングのヘイ・ユウ・ブルース