エマーソン , レイク & 国務長官

ジェイミー・ミューア

 まさかジョジョ読んでてプログレ熱が再燃するとは思わなかった(笑)。ASIAとABWHのLIVE、FRONTIERS OF PROGRESSIVE ROCKを観直す。

 どれも高校の時に入手したヴィデオで、ASIAはwow wow、ABWHはBSで放送したものをそれぞれ友人に頼んで録画して貰ったり、FRONTIERS OF PROGRESSIVE ROCKは他校にいる知人のツテでそこのプログレマニアの美術教師からダビングして貰った超貴重品だ。これらのヴィデオテープをデジ化保存するためにPCやりだしたようなモンです、私。


〜ASIA〜
ジョン・ウェットン[B &Vo]キング・クリムゾンユーライア・ヒープ〜UK
スティーヴ・ハウ[G]イエス
カール・パーマー[Dr]ELP
ジェフリー・ダウンズ[Key]バグルス〜イエス
 彼らのキャリアを一見すれば判るが、ちょっとしたプログレ世界選抜チーム。「商業ロックなんてチョロイもんだぜ」と言ったかどうかは不明だが、プログレの精鋭が本気で儲けようとしたらこうなった的作品を数多く排出。当時のガチガチのプログレファンには惡く言う者も少なくなかったが、イチローがメジャーで認められた昨今なら、そこまで酷評されることもなかったろうに、と思う。プログレっぽさを排除して”売れる”ロックを演っている筈なのに、メンバー各々の中にはプログレ魂がこびり付いていたようで、所々微妙にソレっぽいフレーズが入ってしまうのが哀しいやら嬉しいやら。しかし曲そのものはポップなロックとしても名曲が多く、特にデビュー・アルバムは全世界で実に1000万枚以上を売り上げ、セールス的にも大成功を収めた。活動は1982〜1986の約4年間だが、そこいらのバンドの何十年分も稼いだかと思われる。


〜ABWH〜
A:ジョン・”ア”ンダーソン[Vo]
B:ビル・”ブ”ラッフォード[Dr & Per]
W:リック・”ウ”エイクマン[Key]
H:スティーブ・”ハ”ウ[G]
 元イエス、しかも「危機」「こわれもの」時のメンバーで構成。要するにイエス史上至宝の4人。当時、本来の”もう1人の至宝”である筈のクリス・スクワイア[B]は新生イエスで頑張っており、この2バンドの関係は泥沼であったと記憶している。”イエス以上にイエス”な天才肌の職人集団ABWHであったが、それはイエスの曲を演った場合の話。両雄並び立たずというかなんというか、ABWHのオリジナルアルバム「閃光」の一般的評価は至って普通。メンバーの期待値からいったら”落胆”といっても過言ではないところ。


〜FRONTIERS OF PROGRESSIVE ROCK〜
調べてみたら、BEAT-CLUBという独逸の音楽番組からのスタジオライヴ集(?)らしいことが判明。日本では1988年にLDで売り出されたそうですが、収録されている映像はバンドのメンバーの在籍具合から考えて、1970〜1972年頃でしょうか。だって、1970年にザ・ナイスを解散させてELPを結成したキース・エマーソンや1972年にイエスからクリムゾンに移籍したビル・ブラッフォードが”どちらのバンドにも居る”んだモン。

〜収録曲及びバンドとそのメンバー構成〜
Knife Edge/Emerson,Lake&Palmer
キース・エマーソン[オルガン , アナログシンセサイザー & ムーグ・シンセサイザー]
グレッグ・レイク[B & Vo]
カール・パーマー[Dr]
 ABWHの遥か以前、メンバーの名前の頭文字バンドの先駆け。通称EL&P又はELPで、最も浸透しているのはELP。一時期カール・パーマーがバンドを飛び出してしまい、EL○になる危機に直面したが、新ドラマーにコージー・パウエルを迎えるという荒業でなんとかバンド名をELPに保ったのは有名な話か。それにしてもELPというバンドにとってのドラマーの条件が、テクニック面ではなく名前がPで始まることだというのは凄い話だ。だってビル・ブラッフォード級の天才よりも、林家ペー師匠やパウエル国務長官にドラムの練習させた方が確率高いってコトでしょ。デビュー直後あたりのしたたかさ満点のYOSHIKIなら、名前をPYOSHIKIに改名してでもハクのつきそうな、このビッグバンドに加入しようとしたんじゃないかな(笑)。そんな国務長官じゃない方のパウエル在籍時の曲(タイトル忘れた)が新日本プロレス中継のテーマに曲が使用されていたことがあり、本来無関係な筈のプロレスファンの口からELPという言葉を聞いたときはかなり驚いたものだが、彼らにとってのPがパーマーではなくパウエルだということが一番衝撃だったのを思い出す。

Larks' Tongues In Aspic/King Crimson
ロバート・フリップ[G & メロトロン]
ジョン・ウェットン[B &Vo]
ビル・ブラッフォード[Dr]
デヴィッド・クロス[ヴァイオリン]
ジェイミー・ミューア[Dr , Per & 奇行]
 最も謎というか伝説的メンバーであるミューア和尚(後にチベット行って僧侶になってしまうところからこう呼ばれる。画家もやってる)在籍時の、所謂クリムゾンの史上最強と言われる時期の映像って激レアな筈。和尚は実際パーカッション中心だが、一応ドラムセットもしっかり組んであるので、2000年以降の新生クリムゾンがギター、ドラム、チャップマン・スティック(所謂10弦ベース。ベースとキーボードの中間的な感じ)をそれぞれ2人ずつというダブルトリオ編成になる訳だが、その源泉がここに!なんて勝手にほくそ笑んでみたりする(それをいったら80年代の日本公演時で既にギターのエイドリアン・ブリュー用にドラムがもう1セットあったっけ)。それにしても和尚は演奏中に落ち着き無くウロウロしながらホイッスル吹いたり鉄板叩いたりとヤりたい放題だが、その1音1音が曲全体を牽引しているというのが実に興味深い。

Hang On To A Dream/The Nice
キース・エマーソン[ピアノ]
リー・ジャクソン[B & Vo]
ブライアン・デヴィソン[Dr]
 1970年、キース・エマーソンELPを結成したために解散。キース・エマーソンキース・エマーソンによるキース・エマーソンのためのバンド。

Composition Based On 3 Tunes/Soft Machine
ロバート・ワイアット[Dr & Vo]
ヒュー・ホッパー[B]
マイク・ラトリッジ[オルガン & ピアノ]
エルトン・ディーン[アルトサックス & サクセロ]
 ヒュー・ホッパー程”動かない”ベーシストもいないのではないだろうか(次点:BOOWYの回文みたいな名前の人)。中途半端な姿勢に傾いて、そっぽを向いたまま黙々と弦を弾くのだが、それが妙に格好イイ訳で。あと、ロバート・ワイアットを観ていると後々訪れる悲劇(事故で半身不随に。でも音楽活動を続けるところがまた凄い)のことを考えてしまって、一寸辛いかな。

Yours Is No Disgrace/Yes
ジョン・アンダーソン[Vo]
クリス・スクワイア[B]
スティーヴ・ハウ[G]
ビル・ブラッフォード[Dr]
リック・ウェイクマン[オルガン]
 前述のABWHのメンバーが全員います。若いです、皆。ジョン・アンダーソンは捕まった宇宙人みたいだし、ブラッフォード氏は小学校の同級生だった前田君のお父さんにソックリです。それにしても、確かにこの時期のイエスの凄さはまさに神懸り的。

Truckstop Gondolero/Kraftwerk
フローリアン・シュナイダー[フルート]
クラウス・ディンガー[Dr]
ミヒャエル・ローター[G]
 驚いたことに、映っているのもクレジットもこの3人だけ。フローリアンと同じく創立メンバーである筈のラルフ・ヒュッターは何処いったんだ !? まだテクノなんてジャンルがはっきりしてなかった頃だけに、このクラフトワークもジャーマン・プログレのバンドとして収録されてますし、ギターとドラムとフルートというなんともいえない編成で、テクノ風味は皆無。フルートは何やら怪しげな機械で音を変えていますし、どっちかいうとプログレというよりも前衛的現代音楽風。因みに、クラフトワークと喧嘩別れしたクラウスとミヒャエルはこの後Neu!を結成。


〜オチ〜
 このヴィデオの巻末にこのシリーズの他の予告みたいなのが収録されている。ザ・フーとかジェフ・ベックとかキンクスとかサバスとかジミヘンとか。んで、昔友達とそれ観てて、「このクリームってバンドのギターの人、ちょっと渋いかも」っていったら「クラプトンじゃん」って言われたっけ(笑)

Alpha

Alpha

Emerson Lake & Palmer

Emerson Lake & Palmer

太陽と戦慄(紙ジャケット仕様)

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