♪パステル ポップル ポッピンパ〜♪

魔法のアイドル パステルユーミ

 「スーパーサイズ・ミー」という映画。肥満症に悩む2人の若者が「太ってしまったのはファーストフードの責任」と、マクドナルドを訴えたという報道をTVで観たモーガン・スパーロック監督が、1ヶ月間ファーストフードだけで食事を済ませると人体にどのような影響があるかを実験。その様子を追った異色のドキュメンタリー。実験期間中は、「ファーストフード店内に存在するものしかオーダーしてはならない(水を含む)」「“スーパーサイズ”を勧められたら、断らない」「全てのメニューを必ず一度は食べる」「朝・昼・夜の3食全て残さず食べきる」という4つのルールを厳守し、医師や栄養士の定期診断を受けて体の変化を記録していくというもの。

 なるほど、水野晴郎先生の言うところの”病めるアメリカ文化”ってヤツの一端ね。実に面白い着眼点だと思う。思うんだけど、なんかどっかしら諸手を挙げて賛同し兼ねるんだよなぁ。。。

「とにかく子供たちの食生活を変えること。そして、学校での教育を変えるということが大切だと思うようになりました。私自身“食”というものに対する認識が変わりましたから、このことをぜひ子どもたちに伝えたい。アメリカではDVDも発売されましたので、子どもたちや両親、先生方に観てもらい、問題定義をしたいと考えて各地の学校を回ってます」

 というスパーロック監督。話題性豊富なファーストフードの大企業を敵に廻すことでカルトヒーローになれりゃいいよなぁ。ってか、もし仮に1ヶ月喰い続けても健康さに変化がなかったら、彼はこの作品をどうしたのだろう?まぁ、無害ってコトならそれはそれで世に出せばファーストフード業界からチヤホヤされるんだろうが。

 やっぱ、どっか引っ掛かるんだよね。普通のモンだって1日3食を1ヶ月も喰ってりゃどっかおかしくなったりするんじゃない?ファーストフード業界とか現在のアメリカ文化と”本気で”ヤり合う覚悟があったなら、こんな企画じゃなくて、訴訟を起こした若者の食生活に密着して、彼らの家族とか学校とか地域社会との関わり方とかを通して、彼らがそうした食事をするに至った背景を描いた方がよっぽど正道のドキュメンタリーってモンなんじゃねぇのかな?

 アイデアだけの作品に対して、「わざわざ映画でやるべき話じゃないだろう」なんて言うことがあるが、まさにそれだと思う。こんなの電波少年レヴェルだよ。昔、SODから1週間ザーメンだけで生活させるAVが出たが、あっちの方が人体実験系ドキュメンタリーとしては優秀じゃねぇ?。スパーロックよ、間違った食生活にメスを入れたきゃ次回作は1ヶ月スカトロメニューで生活してみな。まぁ、これは冗談としても、発想の素晴らしさに表現手段が追いつかなかったという意味では実に残念な作品。

 米国ってのは訴訟大国だなんていうが、訴える方にも裁く方にも問題があるような気がしてならないんだよね。あと何でも映画にすりゃいいと思ってるヤツ多過ぎ。だからこんな理解不能な正義感に溢れた映画で儲けようって輩が後を絶たないんだろうね。

 そういや「華氏911」観た時も思ったんだけど、これって全然真のブッシュ批判になってないよね。だって一番の肝であるところのネオコンとか触れてないもんね。ブッシュにとって2番目以降に触れて欲しくない部分をカリカチュア気味にとりあげて大袈裟に攻撃することで、実は一番言及して欲しくない部分の存在をうまく隠遁しちゃってる訳じゃない。真実はどうあれ、ムーアが実はブッシュとグルだって言われた反論が「同時多発テロとは直接関係ないから」とか「たかだか2時間の映画なんだから何でもかんでも入れられないから」なんてヴァカにしてるよ。観客にどう伝わるかという想像力が欠如してる時点で監督としてどうなんだろうって感じ。


 アニマックスで「魔法のアイドル パステルユーミ」を観る。懐かし過ぎ。魔法少女系では一番好きかも。今日は第12話「お嬢さまはつらいよ」袋小路さんのためにお嬢様修行をするユーミだったが、袋小路さんとその義母(?)の間で、自分が3日でお嬢様になれるかどうかの賭けの対象にされていることを知る。怒ったユーミはお披露目の舞踏会にパンクな格好で登場し、会場をメチャメチャにするのだが・・・。

 実際は、確かに賭けは賭けなのだが、ユーミがカン違いしていたような金銭を賭けたものではなく、袋小路さんがこの街(フラワータウン)に留まれるかどうかの賭けだった。つまり、ユーミが3日でお嬢様になれなかった場合は、「袋小路家にふさわしい街(パリ)に引っ越してもらいます」と言われていたのだ。誰よりもフラワータウンを愛する袋小路さんのため、真相を知ったユーミは変身して先刻の騒動を余興だということで上手くとりなす、という話。

 パンクファッションで会場を騒然とさせるシーン。BGMでLAUGHIN' NOSEの「BROKEN GENERATION」がしっかり歌入りでかかっててビックリ。まさかこんなトコロでチャーミーの声聴くなんてな。

 歌及び主人公の花園ユーミの声は志賀真理子さん。NHK「どんなもんだいQテレビ」では森宙太とは対極の、賢いお姉さん的ポジションでした。留学先のロンドンで交通事故に巻き込まれ、19歳という若さでこの世を去ったと訊いた時はショックでしたね。貴重な才媛系アイドルだったのですが。

 個人的にはOP曲よりもパステルステッキで変身する時にバックで流れる♪スティク ステップ スキップ 光のライン 描けばイチ ニッ サンで 願いがかなう♪って志賀さんの歌、好きだったなぁ。。。