ハチミツ二郎と筋少の高木ブー伝説のジャケのブーは似てる

東京ダイナマイト!?

 今年のM-1は、イマイチだったよね。アンタッチャブル南海キャンディーズも良かったと思うんだけど。。。何が消化不良なんだろうと考えてみたところ、やはり基本的な問題は、決勝9組中の4位以下のコンビの本番でのデキだろうか。

 第1組の”千鳥”に対し、審査員連中が点数つけ過ぎ。毎年トップバッターはそれなりに配慮される。そこは賛同できる。が、しかし・・・。

 「1人中世ヨーロッパごっこ」という発想それ自体も微妙っちゃ微妙だが、架空とはいえ国名をメルボルンにしてしまったのは愚の骨頂。南原氏が「メルボルン・・・?あれ、オーストラリアじゃないかなって思った瞬間、ネタの世界観から現実に戻ってしまったんですよ」的な発言をしていたが、これはこれで鋭い指摘。

 メルボルンは確かに国名じゃないがオーストラリアを連想させ、ネタの世界から一気に醒めさせるに充分すぎる効力を秘めた単語だろう。事実云々は関係ない、オーディエンスがどう思うかを念頭に置いてネタを作れなきゃ芸人失格。昨年の千鳥とそのまま比較していいとは思わないが、去年並かそれ以下のデキなのに582点はやっぱヤり過ぎ。

 以下は昨年の決勝の順位と点数。因みに決勝上位3組が最終決戦に臨んだ結果、フットボールアワーが優勝でしたねぇ。

M-1グランプリ2003決勝結果
第1位(663点):フットボールアワー
第2位(656点):笑い飯
第3位(616点):アンタッチャブル(敗者復活)
第4位(608点):二丁拳銃
第5位(601点):りあるキッズ
第6位(572点):スピードワゴン
第7位(564点):アメリカザリガニ
第8位(554点):麒麟
第9位(552点):千鳥

 今回、下馬評に惑わされることなく、笑い飯をちゃんと評価した(確かに”本来”は優勝できる実力を持っていたと思うが)ところは審査員の公正さを窺わせるものだ。が、タカアンドトシと615点で同点3位になってしまった為、審査員の評点の中身を検証してタカアンドトシを3位、笑い飯を4位にするという横暴さは眼に余る。生放送でサドンデス的にもう1回ずつネタをやらせる時間がないからだろうというのは普通に予想できるが。

 しかし、だからといってそんなことをすると審査員の評点が横並びになっていくぞ。審査員はそれぞれに笑いのツボの相違はあっていいと思う。要は公正でありさえすればいいんじゃないか。それを中身で判断するなど笑止。中身にバラつきがあっちゃマズイんなら審査員なんて1人いりゃ充分ってコトじゃねぇかよ、クソっ。

 敗者復活の麒麟のネタが更に高得点を得た為、結局タカアンドトシも4位まで後退し、結果最終決戦には行けなかったから同じではあるが、結果論に関係なく後味の惡さを残したと思う。先に麒麟のネタを採点してれば誰も気づかないままだったかも知れんのに。。。

 あと、小朝がムカついた。偉そうに・・・テメー何様だ?さもインテリ系お笑いご意見番みたいなツラして坐って、もっともらしいコトぬかしてやがったが、こんなトコでてる場合じゃねぇだろ。PRIDEに出場するプロレスラーがこぞって「プロレスラーは本当に強いんです!」っていう意味を考えろ。自分だけ名前売れてるからって審査員なんて引き受けてねぇで、「落語家は本当に面白いんです!」って言えるような、バラエティ界を揺さぶるような落語家でも育てろっての。

 今年の審査員の中では中田カウス氏がよくやっていたと思う。最終決戦、満場一致でアンタッチャブル気味だった中、唯一氏が南海キャンディーズに一票入れていた。恐らく、普通に審査したらアンタッチャブルだというのは判っていた筈。しかし、敢えて流れに乗らなかった確信犯的裁定は寧ろ見事。

 単に南海キャンディーズの”新しさ”を評価してのことであるとか、ゴールデンで漫才が放送されるという意義であるとか、そうした表層的な意味以上にM-1というイヴェントのことを、誰よりも理解していたからではないだろうか。伊達に準決勝以前から観てないな、この御仁。

 この1票は昨年のM-1でグランプリ発表(島田紳・松本・南原の3人が笑い飯、島田洋・ラサール・大竹・中田の4人がフットボールアワーアンタッチャブルは0票)後の紳介の総評(フットボールにも飯にも触れず、「1票も入ってませんけど、アンタッチャブルは凄い!」等アンタッチャブルへの賛辞)と同じだと思って戴きたい。

 諸事情で出演できない企画人・島田紳介の代わり以上とも言えるであろうこの1票の価値。果たしてどれだけの人間が気づいていただろうか。つまり、昨年のM-1以降のアンタッチャブルがどういう露出をしてきたか、逆にフットボールや飯がどれくらい活躍できていたのか、という”現実”に尽きる。特にバラエティ番組じゃ若手芸人にはネタができることよりも気の利いたコメントやリアクションが要求されるからな。

 兎に角、これでアンタッチャブルは芸人(ネタ)としてもバラエティタレント(リアクション)としても若手の頂点に立ったと言えるだろう。

 個人的には、東京ダイナマイトの点数が不当に低過ぎる気がした。ハチミツ二郎のツッコミは面白いって。注目コンビは南海キャンディーズ。山里の言語センスは磨けばかなり面白くなると思う。あと山崎静代はデカくてイイ!


以上、明日超残業になるかも〜って思って昨日書いておいた文章でした。予想に反して定時で帰ってこれちゃったよン。