脳内BGM:「買物王」のテーマ/PIZZICATO FIVE

4万円

 ちょっとした美術館巡り気分で中野は「まんだらけ」に。グレートマジンガーの剣鉄也のソフビが3千円也。あ〜、コレ持ってるなぁ、とか。「飛べ!孫悟空」の志村のソフビ、売ったらいくらになるかなぁ、とか考えながらブラブラ。そういや、破損品ながら仮面ライダーXのジャンボマシンダーが10万5千円也。同じく破損品のレッドバロンは12万6千円也。うんうん、やっぱコレくらい(勿論、ゲッター1とか多く現存するものは0が1つ少ないよ)するよなぁ。。。久しぶりに来たが、どうやらオレの価値観は狂ってないようだ。

 んで、新宿に移動。一足遅いクリスマスプレゼントを購入しようって人、結構居るモンだね。クリスマス過ぎたらガランとした感じだろうと思った自分は、どうやら少々甘かったらしい。新宿伊勢丹メンズ館1Fは買い物客で溢れ返っていた。オレは自分用の財布を買いに来ただけなんだ。どけよ、どけったら。

 何とか人を掻き分けて上の階へ。気分はちょっとした死亡遊戯李小龍。誰も倒してないけど。実はまだ材質とかブランドとかは何も決めていなかった。余談だが、昨今の若者の傾向で彼氏から彼女へは数万円程度のプレゼントで、彼女から彼氏へは1万2〜3千円迄のプレゼントということらしいが、なるほど、1Fはライセンス系の雑貨なのでプライスラインがズバリそれくらいなんだなぁ。

 取り合えず上へ、上へ。なんだ、やはり混雑していたのは1Fだけじゃないか。というワケで3Fあたりを視て廻る。PRADAGUCCIはフツーにスルー。DOLCE & GABBANAのは材質も形も気に入らなかった。JIL SANDERHELMUT LANGは雑貨が充実していなかった。う〜む、このまま大人しくLOUIS VUITTONを買ってしまうのか・・・いやいや、あ、コレちょっといいかも〜。

 つ〜コトで眼に留まったのはDIOR HOMMEの長財布。パっと見ロゴもそんなに目立たない感じだし、いいかなぁと思った。4万円也。ふむ、勇者ライディーンのジャンボマシンダー約2体分か。まぁこんなモンだな。この時点で購入決定度は60%。あとは最終チェックとして触診してみようと思ったのだが、先日も触れたような(http://d.hatena.ne.jp/STARLESS/20041224)彼女連れのHIP-HOP育ちな風貌の若造が2つ3つ取っ替え引っ替えで財布を触ってブツブツ言いながら悩んでやがる。しかも結構前から悩んでる感じ。3分程彼の後ろで待ってやったが、一向に買うでも立ち去るでもないっぽい。ヤヴァイ、僕という名のヨハンの中のモンスター(by浦沢直樹「MONSTER」)が。。。

 「ちょっとすいません」と割り込んで行って財布を触診してもよかったのだが、若造の身を案じ(この意味は追々解ると思います)、フロアを1周することにした。この間に彼が購入するか去っていてくれることを願って。

 ・・・戻ってくると、果たして彼はまだ懊悩の獄中に身を置いていた。ヴァカかコイツは。”オマエ、どうせこの後ドンキとか行って買うんだろ”ぐらい店員に思われてても仕方ねぇな。お陰で(この意味も追々解ると思います)私の購入決定度は95%にまで急上昇。

 「ちょっとすいません」と彼の横に。この時、初めて彼の視界に私が入ったことになる。ターゲットの財布を手にとる。革の硬さ、ファスナーの滑り具合、小銭入れ部分の内側の布地の堅牢度、カードの収納枚数等。問題ないので購入決定度100%到達。

「すいませ〜ん、コレ下さい」

 若造の視界に入ってからこの間約10秒。彼はポカーンとしている。クリスマス前後ってこんな若造タイプの客ばっかなんだろう。だってこの程度で店員がスッ飛んできたモン。

 オレが現金で支払いして、店員が包装するのを待っていると、彼もやっと購入を決意したらしく(マジにドンキ行くかと思ったんだが)、別の店員に小声で「分割で」とか言ってた。彼女の手前もあってか自己嫌悪に陥っていってるのが傍目にもよくわかった。

 けけけ、金ないのはオレも同じさ。だからって無理して買ってる感醸し出したら負け。あとは水飲んででも暮らす覚悟があるかないか、だな。余談だが、財布の購入金額より中身が少ないものわろしだなぁって思うので、使わなくてもそれなりに入れるようにしてる。あるとつい使ってしまう浪費癖の矯正にもなるので結構お薦め。但し、財布の値段より中身が少ないコトを恥じる美学が無けりゃ無意味か。。。

 さてこの瞬間、”嗚呼、本日も良い買い物をしたな”と実感する超性悪な私。彼の心の傷がライディーン2体分なら全然安いとすら思えるからだ。オレにとっての顧客満足度CSとは、店員が与えてくれるものではなく、客であるオレ自身が見つけることにある。

 ”高額品を買う時こそ迷ってはならない”とは私のリアル師匠でもあるUさん(某六大学講師)のお言葉。Uさん曰くの「旦那買い」とは”値段を気にしない””店員にグダグダ質問しない”買い方。勿論、店員にナメられてはならないのが大前提(正しくは”値段を気にしてないと思わせる”だな)。要はスマートに買えというコトだ。ショッピングが楽しいなんて誰が決めた!? 買い物とは店員や他の客との真剣勝負なのだよ。特に店員にナメられたら仕舞。

 私の場合、衣料関係は完璧にその場の閃き重視。職業柄(?)直感で”いっても10万円程度”という自分なりの上限がだいたい判るから。逆に携帯とかPCとかを購入する場合は爆速。入店して店員を呼び止めて「これ下さい」所要時間は0秒。

 但し、こちらは店に足を運ぶ前にメチャメチャ予習。だってPCは価格的に安い買い物じゃないし、携帯は番号もアドレスも変わっちゃうし、気に入らなくても3ヶ月以上は使わなきゃいけない(3ヶ月以内の解約&新規加入をすると各社にブラックリストとして情報が回覧され、以後色々と不都合が発生するので)し。携帯関係は特に熱心に勉強した覚えがあるな。購入指南してくれって言った上司から「転職したほうが稼げる」って言われたくらい。

 だから雑誌やネットでスペックとか仕様等の情報を収集した後、妄想力をフルに使って使用感をチェック(左にPCカードスロット、右にUSBだから電車内でこう持って使った場合こっちに手が当たっちゃうんじゃないかなぁとかそういうレヴェルで検証。私は”シャドーモバイル”と命名)。服や靴と違って試着してみないと・・・ってのがないから楽でいいネ。玄人ならキーボードの打鍵感とかもチェックするんだろうケド(笑)


M-1
思ったことが結構あるかも。詳しくは、明日。