それでもまだ電車内で見かけぬPSPとDS

「とびだせ大作戦」スクエア(1987)

〜今年のゲーム業界、ヒットのカギは”とびだし”にあり〜

 ”代わって存在感が無くなった方の社長”こと、任天堂岩田聡社長がNintendo DSの市場での巻き返しに躍起だ。

 岩田社長は「欠陥品に負ける良品などある筈がない。ユーザーは、予告なしに飛び出すディスクにサプライズしているのではないか。製作者の意図を超えたところで新たなる遊びが生まれているのでは」と分析している。

 更に岩田社長は、次回生産分よりNintendo DSにも射出機能を正式な”仕様”として組み込むことを発表。但し、射出されるのはソフトのカートリッジではなく付属のスタイラスペンになる模様。いくらバカバカしくて愉快だからといってゲームそのものを中断させる訳にはいかない・・・やはりこうした姿勢は話題性よりも品質最優先の任天堂ならでは。また、既にGBAではハード本体を傾けることで成立するゲームを発売している任天堂だけに、今回のスタイラス射出仕様も今後のソフト開発に関係してくるのではないか、という見方をする業界関係者も多いようだ。

 本誌が宮本茂専務に行った独占インタヴューでは「”とびだす”というアイデアは元々任天堂十八番おはこ。なんといってもあのスクエアさんがDSで”とびだせ大作戦”なんて作品を発表しているくらいですから」と冗談交じりに語ってくれたが、インタヴューを担当した記者によれば「眼が全然笑ってなかったので、DSってディスクシステムじゃないですか!とはツッコめなかった」とのこと(意気地なしの記者は「付属の3Dメガネって、”とびだせメガネ”っていうんですよね。あと、かけるとドン小西みたいになっちゃうんですよね(笑)」としか言えなかったそうだ)。

 ある意味これも今年ブームの自虐系ギャグのようだが、こちらの話題に気をとらせておいて「バーチャルボーイ」に話題が及ばないようにするという、まさに”肉を斬らせて骨を断つ”百戦錬磨の宮本流話術。

これだから、横井軍平氏の居ない任天堂はみていられない。