今晩ど〜お〜?

ルバン三世 カリオストロの城

 明日は「ハウル」公開日だ。いや、行くつもりはない。「イノセンス」と違ってスゲェ混んでるだろうし(笑)

 本当は、映画館で観ない理由が別にある。今のオレはアンチ・ジブリだから。ただ、宮崎駿が嫌いなのではない。いつもの喩えだが、”アンチ巨人の松井ファンとか長島ファン”みたいな感じ。よって、プチ不買運動みたいな感じで、なるべくジブリを儲けさせたくないのだ。わかってる、オレ一人がどうこうしたって何も変わらないのはわかってるんだが。

 どこまで、と明言はしないが、昔のジブリ・・・というか宮崎作品は本当によかった。特に「ハイジ」で高畑勲氏から叩き込まれた”食事シーン”のアニメ的リアリティは実に見事であり、ストーリーそっちのけで観る価値のあるものだと思っている。そうだ、ハイジがおじいさんに食べさせたいと切望した”白いパン”のフカフカした食感であり、おいしそうな”干し肉”や”山羊の乳のチーズ”の表面の質感であり、匂い立つばかりに新鮮さを湛えた搾りたての牛乳の感じである。まぁペーターの手弁当にはよくわからんおかずもあったりするが、ここはギャートルズの肉並に漠然と受け止めておけ。

 そんな宮崎作品の食事でオレが一番そそられるのは「カリ城」の”ナポリタン”。その殆どを次元に持ってかれてしまう、アレだ。次元からナポリタンを死守しようとするルパン。引っ張り合いの攻防の大詰めでブチブチと切れゆくパスタの描写は、茹で加減も完璧なアルデンテであるとともに、日本のアニメ界の食事に於ける珠玉の1シーンではないだろうか。少なくともオレはそう思っている、大マジに。次点は「ラピュタ」の”目玉焼きのせのせパン”(命名:オレ)。

 「千と千尋」の”おにぎり”のシーンは観ていて泣いてしまったが、オレの泪はおにぎりに込められた”想い”という名のみえない具に対してであり、おにぎりそのものデティールに感動した訳では決してないのだ。だから、この2つを観てしまうと昨今のジブリ作品は正直物足りない。充分美味しいのだが、オレの望んでいた味ではない気がする。ファンならもう一度、ジブリという老舗の名店の暖簾は、敢えて忘れて言ってみようよ、

宮さんマスター、味が変わってるよ」

と。