俊美さんの奥さんミモー

 夕方、倉庫で作業していた俺に某課長が言う。
「今度のは、買うぞ!」
「何をですか?しかも唐突な宣言で」
[es]を買うんだ!」
「おぉ、マジスカ。よい御判断だと思いますよ」
 遂にこの携帯オヤジ(ボク以上に・・・つまり、携帯・PHSの“全ての”キャリアを渡り歩いた猛者である)をも喰いつかせた、W-ZERO3シリーズ。

 但しこのW-ZERO3[es]、ボクの食指こそ動かさなかった(http://d.hatena.ne.jp/STARLESS/20060704)ものの、デジタルガジェット好きに向けたウィルコムの野心を象徴するような端末として大きな意義を持つと考えるので、売れて欲しいなと思っていた。俺が望む、次代のW-ZERO3の小型・軽量化の礎となれ。勿論、俺だけのために(笑)


 帰宅中に週アス。於米帝某動画置場での活用をフィーチャーした作りの「激役立ちフリーソフト26」という特集。部数を伸ばすにゃやっぱこのテなんでしょうか。週アスがいつもこうだ、とは毛頭思ってないが、概ねPC関係業界全体はP2Pが流行れば流行ったで採り上げ、個人情報漏洩で巷を騒がせたら騒がせたで貴社・貴殿の機密を護るとかそういう切り口だ。

 ウィルスやスパムやフィッシング・・・ネタは常に転がっていて、最も旬なものをチョイスしているだけなんだろうが。ただ、音楽配信の視聴サイトから着うたを作成とかって聊かセコいネタは某誌に任せておいてよかったんじゃないか、とは思った。


 昨日はパパイヤパラノイアの話に終始してしまったが、同時購入したTOKYO No.1 SOUL SETの新譜(発売から1年以上経ってますが、先日気づいたんだからボク的には新譜なんです。ってかオレは本当にファンなのか?w)『OUTSET』も凄くイイ。

 ソウルセットがデヴューしたのはボクが高校生の頃。当時はまだ三流エロ雑誌に成り下がっていなかった『宝島』ですらHIPHOPというよりラップと紹介されることが多く、プログレとテクノとニューウェイヴとフォークしか許容していなかった(アイドル歌謡すら否定)ボクは、知識として“そういう音楽”の存在は知っていたがまさか自分が聴くことになろうとは思ってもいなかったものだ。

 何年か経過して、気づいたら寧ろ“そういう音楽”が生活の中心になっていた自分がいた。でもやっぱりHIPHOPというよりラップという呼称がよく似合うような、90年代の残光を享受させてくれるような、ソウルセットかせきさいだぁ≡は特に(一応スチャダラも)好きだ。

 ただ、ボクは未だにソウルセットをそういう風にカテゴライズすることに違和感を覚えるのです。今や“等じゃない方の”小室の弟子に成り果てたDJドラゴン在籍時はそれはそれで『Young guys, gifted and slack!』という、ジャパニーズ・ラップ黎明期の名盤といえる作品(ボクはヤフオクで入手)をリリースしてはいるが、やはり彼らの真の才能が開花したのはその後の作品群によって、である。

 BIKKE氏の詩は遥か深遠な境地に達し、ボクは彼をもはやラッパーと呼称することができなくなる(ポエトリー・リーディングに近いのではないだろうか)程に、ソウルセットそのものを唯一無二の高みの存在へと押し上げたと思うし、川辺ヒロシ氏のトラックはそれだけでソウルセットの音楽性の高さの象徴であるし、渡辺俊美氏の憂いを含んだ美声は(個人的に)ソウルセット一番の魅力だと思ってるし。

 兎に角、彼らの近年の活動の少なさに救われている若手は多いのではないか、なんて底意地の惡いことすら考えてしまう程に凄いグループである。
日本語ラップなんて正直ど〜よ」
なんて迂闊な発言をする前に一聴しておくべき。一枚としてハズレは無いが、最初から『9 9/9』なんか聴いたらアレなので(『少林寺三十六房』で主人公がイキナリ“頂房”行っちゃったような感じです)、先ずは『TRIPLE BARREL』あたりを。これとてもう10年以上前の作品だが、今聴いても全く色褪せていない。名盤とはそういうものだ。