サトエリよりも市川実日子

出渕裕

 明け方寝て、起きたら夜。あぁ、またしても無駄に1日を浪費した。今日という日は一体何だったのか。寝ること以外の可能性を探るも、今となりては後の祭り。仕方ないのでレンタル中のDVDでも観ることにした次第。


キューティーハニー
 予告を観た時の印象は、面白そうではあるが、わざわざ劇場で観る必要はなさそう、って感じだった。実際のところ、やはりそんな作品。娯楽作品としてキチンとまとまっていてよかったと思う。ストーリーも単純明快だし。地上波とかで放送したら意外と視聴率叩き出しそう。良くも惡くもTV向け。と思ったら、やはり劇場公開は微妙にコケたんだそうだ。庵野監督の考案したハニメーション(アニメの動きに当てはめて人間をコマ撮りするというもの)という手法にしろ、要は”逆ディズニー”でしかないものな(笑)

 また、原作者の永井豪氏をはじめ、関係者スタッフがかなり出演(勿論チョイ役だが)している中、最も”役者”してるのが警視庁上層部役の出渕裕氏だ。嶋田久作田中要次と並んで、警視庁公安8課・秋夏子警部を査問する出渕裕。科白は「信じられるかね?そんなコトが!」の一言のみだが、眼鏡をクイッと上げる所作等、なかなかどうして堂に入った感じがする。

 出渕裕というと我々世代ではνガンダムイングラム等、アニメのメカデザイナーとしての印象がどうしても強い。が、東映戦隊シリーズに代表される特撮系デザイナーとしての一面も彼の重要なキャリアの一つと言えるだろう。個人的には、ロボットなら「超電子 バイオマン」に出てくるバイオハンター・シルバの駆るロボット、バルジオン。コスチュームなら「電撃戦隊チェンジマン」に出てくる大星団ゴズマ司令官のアハメスかな。

 そんな出渕氏、実は古くからひっそりと”演技派”の片鱗を見せ始めていたのだ。ゆうきまさみの名作「究極超人あ〜る」のドラマCDでは毒島さん(明らかに故:天本英世氏がモデルのキャラ)役で出演し、「ワシの改造人間をいじめるんじゃないっ!」という科白を熱演しているのだが、残念ながらあまり知られてはいないようだ。